ぷりんのはじっこ

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ぷりん好きの、大学三年次編入合格後のおはなし

編入試験合格体験記 平成31年度千葉大学文学部人文学科日本・ユーラシア文化コース

※この体験記は以前、編入学基礎1(2単位)さんに寄稿していたものです。編入学基礎1(2単位)さんのサービス終了に伴い、お引越ししました。

 

こんにちは。葵(@No_AA89BD)です。平成31年千葉大学文学部人文学科日本・ユーラシア文化コースの3年次編入試験に合格しました。

私自身、受験生の時に編入学基礎I(2単位)に大変助けられました。主管理人である、ななしさん、今までの体験記寄稿してくださった方々、ありがとうございます。次は私も編入の先輩たちに続きたい、他学部に比して少ない文学部の編入に少しでもお役に立てれば、と思い、寄稿させていただきました。

編入試験は4校受けました。他の大学の体験記については、また後日...。ちなみに、体験記を書いてる順番は受験日順です。編入先は非公開としているので、どの大学に編入したかはご想像にお任せします。 そして想像したことは心にそっとしまっておいてくださいな。

本稿では、千葉大学のことをメインとしながらも、一部私の編入試験全体のことについて触れています。千葉大受けないし!文学部じゃないし!って方にも読んでほしいです。体験記がちょっぴり長くなってしまったので、勉強の息抜きの時などにプリン食べながら読むことをおすすめします。

 

目次

1~4、10以降は他の受験校も含めて書いています。大学ごとに体験記を分けて書くことにしましたが、一連の編入の流れを無理に4つに切ることが難しかったためです。どうしても書き分けが難しいところは1校目の体験記に書いてしまおう!ってことでこうすることにしました。

 

1.自己紹介

  • 編入前は某私立大学(4年制)の学生
  • 編入前の専門はメディア
  • 2年生の4月から予備校に通っていました(小論文と英語を受講、夏期講習なし)
  • 休学なし
  • 出願時の既修得単位数は74
  • プリンの精

他学部からの編入です。前の専門は文系/理系の枠組みはほぼないようなところでした(私は文系出身です)。予備校に通っていましたが私の受験する専門科目の対策の講座はなかったため、専門科目については独学です。

 

はじめましての方。私、プリンの精です。こうなった経緯は、私のTwitterのアカウントのツイートを遡るとわかるので興味がある人はどうぞ(興味ある人いるのかな…)。

下に、「生い立ち」は載せておきますね。

『プリンの精の生い立ち』

2017年10月某日 ????g

シェフたちの歓声とともに元気に生まれました。

編入志望の大学生の誕生日祝いとして作られたプリン。

そこに妖精がぶつかって出られなくなってプリンの精になりました。

――実は、シェフの一人である編入志望の大学生がいつのまにか妖精を呼び寄せていたようです。妖精は、編入試験に悩む人の近くに現れるらしい。――

プリンの精は成長が早く、生まれてから数時間後には過去問分析を始めました。

プリンの精は、話せるし自立歩行もできます。そして編入試験まで受けるように。

編入試験期間は受験生として、全ての受験校の合格発表後はゆるゆる情報発信者としてTwitterとプリン売り場にいます。

おしまい。

(2019/03/03 @No_AA89BD のマシュマロの回答より引用)

 

2.なぜ編入したかったのか

せっかく大学で学べるなら自分がやりたいことを学びたい、自分がやりたいことができる場所に行きたいと強く思ったことがきっかけです。

大学生になったら自分がやりたいことができると思って高校まで勉強してきたのに、今やっていることって本当にやりたかったことなの?と、気が付くと涙があふれてきていました。メディアの領域は好きでしたが、専門領域内の制作(本のリデザイン、ドキュメンタリー作品の制作など)の課題をやっている時がつらかったです。制作自体は嫌いではないのですが、制作をしている時間になると制作物について考えながらも自分のことについて考え始めてしまうんですよね。制作の科目を極力避けて履修することも可能でしたが、卒業要件単位数的に履修しなければならない制作系の科目は少なくありませんでした。

それでも、自分がいる場所を好きになろうと、講義、課題、部活、サークル、学外の団体での実行委員、有志の学科プロジェクト、美術館や個展の訪問など、いろんなことに時間と労力を注ぎました。その中で、日本の文化について学びたいと思うようになりました。

以上の理由から、編入試験を受けることを決めました。

 

…というのが本音交じりの建前。ここに嘘は一つもないけれど、全部は書いていません。ここから書くのは志望理由書には書かなかったこと。この体験記には書いておきたいこと。

編入前の大学は不本意入学でした。入学式の時点で、涙を浮かべながら式に出席し、母には「もう一年頑張ってもいいんだよ」と言わせてしまうだめだめな子でした。親不孝者ですね。1年生の4月は毎日自室で泣いていたし、ひどい時は講義中なのに涙が止まらなくなることもありました。では、どうやってこれを切り抜けたのか。私がやったのは、気持ちがマイナスの方向に向かってしまう時間を減らすために、学内外問わずやってみたいと思ったことは挑戦することでした。私が「ここ」に来た理由を見出したかったのだと思います。所属していた複数の団体での活動も、自分の専門領域の勉強も、専門外の興味関心のある領域の勉強も…とやっているうちに私が学びたいことやどんな人になりたいのかが見えてくるようになり、それを実現させるためには編入試験の合格が必要であると考え、編入試験を受けることにしました。

 

3.他の受験校

千葉大学の他に、奈良女子大学上智大学学習院大学を受験しました(受験日順)。全て文学部です。本稿は千葉大学の記事であるため、他大学については簡単な記述に止めておきます。

 

奈良女子大学文学部人文社会学科文化メディア学コース

試験科目:専門科目、外国語(「英語」選択の場合はTOEIC代替)、面接、志望理由書

私の編入前の専門とここの専門科目の内容とは、ある程度親和性があると思ってるTOEIC点数換算表はHPなどで確認可。

 

上智大学文学部国文学科

試験科目:専門科目、面接、志望理由書(学業計画書)

出願資格の一つとして外部英語試験のスコアが必要。専門科目の試験時間がぱっつんぱっつん。面接嫌だった。

 

学習院大学文学部日本語・日本文学科

試験科目:専門科目(現代文・古文・小論文)、外国語(独自)、志望理由書

一般入試の問題に近い、かも、しれない。個人的にここの試験問題好き。

 

4.受験校ってどうやって決めたの?

「今TOEIC〇〇点です。どこの大学がおすすめですか?」「編入して〇〇ついての講義がある大学で学びたいです。どういう大学があるか教えてください。」

...のような質問を編入界隈で時々見かけます。「自分で調べてください。」という感じですが、そもそも編入試験の受験校ってどうやって決めたっけ?と思い出し、私はどうやって受験校を決定したのかを体験記に書くことにしました。あくまで一例ということを承知の上で見てください。

 

1.文学部編入を実施している大学をピックアップする

この大学に編入したい!と思っても編入試験を実施していなかったら編入できません。まずは編入制度を設けている大学を調べ、書き出してみます。調べるってどうやって調べるの?と思った方。いろんな調べ方がありますよ。例えば、(1)このサイト(編入学基礎I(2単位))から探す、(2)「〈知っている大学名〉 編入」でインターネット上で検索をかけ、各大学のHPを見る、(3)予備校の実績から探す、(4)『まるわかり!大学編入データブック』で調べる、 など。

この段階で書き出したのは12~13校。


2.募集要項で出願資格を満たせるか確認する

出願資格は大学・学部によって異なります。在籍年数、修得単位数、外部試験のスコアなどをクリアするか/しているかを必ずチェックします。

私の場合、大〇大学受けるという選択肢が早々に消えました...。第二外国語の既得単位が出願資格に満たなかったためです。


3.試験日程を確認する

自分が受験する年の募集要項がまだ公開されていない場合は、前年度の募集要項を見ましょう。試験の時期を大まかに知ることができます。最新の募集要項が公開されたらそれも忘れずに確認しましょう(むしろこっちの方が大事)。

名〇〇大学、お〇〇〇〇〇大学はこの時点で選択肢から外しました。試験勉強が間に合わないと思ったことと、試験期間が長かった(一次試験通過した場合二次試験までの時間が長いため他大学の勉強ができないと考えた)ことがその理由です。また、前年は1週間ずれていた学〇院大学と埼〇大学の試験日が今年は被りました...。


4.試験科目を確認する

専門科目といってもその内容はどういうものか、現古漢全部あるのか、小論文はあるのか、英語はあるのかなどを募集要項などで確認します。

 

5.過去の入試状況を確認する

過去の入試状況とは、募集人数、志願者数、合格者数などのことです。特に合格者数は見ておいた方がいいです。募集要項に「募集人数 : 若干名」「募集人数 : 〇名」って書いてあるけど、実際には何人合格者を出しているの?の答えがここに書いてあります。募集人数よりはるかに少ない合格者数が書いてあったり、募集人数いっぱいまでとってくれたり、合格者0だったりとまあいろいろです。


6.過去問分析をする

過去問分析は、自分にとってどこも魅力的だけれど複数校の試験日が被った場合にも役立ちます。過去問分析をすることによって自分がより戦えると思う試験の方を選択する、という決定の仕方もできます。

学〇院大学と埼〇大学の試験日が被り、かつどちらにも惹かれていたので、最後は過去問を見て決めました。

 

2~5は順番の入れ替え可能です。...というよりもこれらはほぼ同時進行でやってました。

ここまで私がどのように受験校を決めていったかを書きましたが、最終的には、受けたいところを受けました。シンプルに。試験に合格することも大切ですが、編入後に「こんなはずじゃなかった」とならないように受験校を決めるのはもっと大切です。志望する大学について自分で調べられることは徹底的に調べましょう。知らなくていいことは一つもないと思います。

 

5.千葉大学文学部人文学科日本・ユーラシア文化コースの試験内容

試験は一日のみで、筆記試験(専門科目)と口述試験(面接)があります。午前中に筆記試験が実施され、お昼休憩をはさんで口述試験が行われます。

詳細は千葉大学のHPや募集要項で確認してください。どこのプリンかもわからないような私からの情報より、一次情報にあたった方がいいですよ。本稿の最後に募集要項置いておくので見てくださいね。基本的な情報は大学の公開しているものにお任せすることにして、それ以外のことについて書きますね。

5-1.筆記試験

  • 試験時間:120分
  • 大問1~4のうち、2つを選択し解答する
  • 解答用紙としてA3用紙が2枚配布される(罫線あり、裏面への解答可)
  • 縦置き横書きで解答(大問1のみ縦書き)
  • 問題用紙は試験後に回収される

 

出題内容

大問1. (日本文学)

(1) 変体仮名翻刻をし、その作品について述べる

(2) 検閲について

(1)の本文は、過去問 3 年分と比べると翻刻しなければならない量が多いように感じた。

 

大問2. (日本語学)

(1) AとBをそれぞれ答え、双方を日本語学的視点から記述

(2) 動詞の活用体系について

(2)で問われていることを初めは勘違いして解答していた。途中で気づき答案を書き直した。

 

大問3. (言語学

(1) 忘れた...

(2) 知っている言語について言語学的観点から記述

解かないと決めていたため、問題をさらっと見ただけ。

 

大問4. (英文読解)

(1) 社会人類学についての英文の和訳(全文)

(2) 英文に出てきた事柄について知っていることを記述

この問題から解き始めた。本文中に出てくる英単語は注釈に一部載っている。

 

私は大問2と大問4を選択しました。試験時間はきつきつではないです。見直す時間もありました。

 

個人的な感想ですが、千葉大学の専門試験は他大学と比べると出題傾向がかなり異なります。受験した大学を含め5校の文学部の過去問を見ましたが、千葉大学の問題は異質だと感じました。千葉大学のこのコースを併願校の一選択肢として考えている方は、千葉大学の専門科目の勉強内容は他の大学のとは被らない可能性が高いというのは知っておいた方がいいかもしれません。また、受験勉強を始める段階からどの問題を選択・解答するのか決めておくといいと思います。ただし、2題解けばいいからといって勉強の段階から2つだけに絞ってしまうのは危険かな。最低3つ(もちろん4つ全て勉強するのが一番だと思う)は勉強しておくのがいいと思います。

 

受験勉強の段階から、問1、問2、問4の3題のうちから2題を解く気でした。4題あるうち2題を解答すればいいので、1つは保険です。全くわからない問題が出てきてしまった時に選択肢があったほうがいいかなと思ってたのでこの作戦で。選ばなかった問3(言語学)は、過去問を見ると年によっては日本語学の知識で解けそうでしたが、試験勉強の時点で選択しないと決めました(そもそも私は第二外国語すら履修してない…)。

 

でも、実は、試験日直前の2週間くらいは日本語学の勉強をやめてしまっていたんです。スパートかけなきゃいけない時期なのにね。1年生の3月あたりから日本語学の勉強を続けていたのですが、しっくりこないというか、ずっとわかった気がしなかったんですよね。これでは、文学部→文学部の人と戦えないと思うようになっていました。結局そのあとは、試験前日と当日の朝にちらっと見るくらいでした。では最後にスパートかけていたのは、というと、大問1の対策

でも、ん......??私が解答したのは前述の通り、大問2と大問4。大問2って日本語学の問題です。直前期に勉強をストップしてしまった日本語学の問題を選んで解きました。不思議だね。しかもスパートかけてた大問1解いてないね。

ずばり、大問1がわかりませんでした。

幸い、2週間ほど放置した日本語学の知識が頭に残っていたので問2を選択・解答することができました。危なかった…。試験直前になると変な考えが頭を占拠し始める(私だけかもしれない)けれど、勉強は最後まで続けたほうがいいです。当たり前だけど。目を通すだけでも全然違うと思います。

 

ここまで読んで気づいたかもしれませんが、選択の仕方によっては英語なしにできます。外部の英語試験が出願資格として課されているわけでもないので、筆記試験で英語の問題を選ばなければ英語ゼロで受験可能です。ただし、英語がないなら受けよう!という安易な考えでの受験がいいかといえば、んん…どうなんでしょ…。ほかの問題が解けるのならまあいいのかな…。英語なしにすることもできなくはない、とここで書いたことでいたずらに志望者が増えてしまうと嫌なので小さめに書いておきました...。

 

5-2.口述試験(面接)

  • 試験時間:15~20分
  • 面接官:5人

 

質問内容

  • 志望理由
  • 今の大学ではだめな理由
  • 筆記試験で解いた問題の深掘り
  • 筆記試験を解いた感触
  • 筆記試験で選択しなかった問題について
  • 卒論の研究テーマ
  • 誰のゼミに入りたいと思っているか

 

筆記試験終了後、受験生は全員同じ待機室に移動。お昼休憩の間に待機室の壁に紙が貼られ、そこで順番と試験室を確認。口述試験開始の時刻になると各コースの面接官の先生が待機室まで来て受験生を呼びます。受験生は一人ずつ呼ばれ、呼ばれたら面接官の先生と共に試験室に向かいます。口述試験の順番は受験番号順ではありませんでした。

 

面接というより、口述試験という感じです。質問内容は午前中の筆記試験の内容が多くを占めます口述試験の最中に問題用紙を見ながら答えることはできますがお昼休憩の間にどんな問題だったか思い出しておくといいと思いますお昼の間に少しでも備えておくと心に余裕が生まれます(生まれません)。ただし、筆記試験終了時に問題用紙は回収されるので自分の記憶が頼り...。試験は和やかな雰囲気で、面接官からの質問のテンポがよかったです。

また、選択していない問題まで言及されました(問2と問4を選択したのに問1の一部をその場で口頭で答えました)。選択しなかったんだからそっとしておいて!!!と心の中で叫んでいましたが、戸惑いながらも乗り切りました。えらいね。 

 

6.試験前日・当日の過ごし方の理想と現実

試験前日と当日を思ったように過ごせませんでした。特に前日。試験前日をどう過ごしたかは少なからず試験当日に影響すると思います。ここではこれから試験を受ける方たちに気をつけてほしいことを書きます。

 

【理想】

《前日》大学の4限の講義終了後、最寄り駅から電車に乗る。その後新幹線と地下鉄に乗って予約していたホテルに到着。1時間くらい気になるところを確認し、スーツにアイロンをかけ、日付が変わる前には就寝。

《当日》 6:00起床。身支度をし、最後に2〜3箇所気になるところを確認し、ホテルをチェックアウト。ホテルから最寄り駅まで歩き、電車で一駅移動。試験開始に十分間に合う時間に会場に到着。

 

【現実】

《前日》 新幹線に乗り込むところまでは計画通り。しかし…人身事故の影響で上りの新幹線が大幅な遅延。長時間にわたって新幹線が全く動かず。やっと新幹線で移動できたと思ったら、実はその後に乗る総武線も若干遅延。ホテルのチェックインは20:00の予定だったが、実際チェックインしたのは日付が変わってから。入浴のみ済ませ、明日の身支度も勉強もほぼゼロのまま2:00過ぎに就寝

《当日》 6:00起床。起きられたことだけで安心する。身支度をしながら参考書を読んでたら乗る予定だった電車を逃す。矢のような速さで荷物をホテルのフロントに預け、駅までダッシュ(スーツ着用+ヒール)。乗る予定だった2本後の電車に乗って試験会場に到着(集合時刻には間に合う)。

 

何が言いたいかって...

公共交通機関は無敵ではありません。新幹線だって電車だって、遅延することもあります。時間に余裕を持って現地に到着しておきましょう。本当にこれ大事。

 

試験直前にメンタルが強烈にやられます。そりゃもう強烈に。勉強しようと参考書を開いても内容が全然頭に入ってきません。さらには試験を受けられないんじゃないかという気持ちから、涙がずっと出てきます。隣の会社員らしき人に見られないようにと思いながらも、ごはんも持っていなかったので復旧を待つことしかできませんでした。

編入試験は、たとえ公共機関の遅延が理由でも、試験時間に会場にいなければ受験できないことが多いそうです(遅延による遅刻受験者の対応として別室受験を行う大学もあります)。

 

試験前日に在籍校の講義がある場合、その日の講義はどうするのかについて考えてみるのも必要かなと思います。試験会場まで遠いなら特に。私は大学の講義を欠席したくないと思うタイプなので試験前日も1〜4限までフルで講義に出席していましたが、最後の講義の途中で抜けることなども考えた方がよかったかもしれません。もし考えていても自主休講しなかったと思うけど。試験を受けるために勉強してきたのに試験が受けられなかったら、いくらプリンを爆食いしたとしても心の傷は癒えないでしょう。

 

7.試験後〜合格発表

試験が終わった直後の感触は悪くはなかったです。そんなにひどい失敗があったようには思いませんでした。でも、時間が経ってくると自分のできなかったところばかり気になって不安になりました。あそここう言った方がよかったなとか、いらないこと言ったなとか。いくら不安になったところで既に試験は自身の力でどうこうできるものではないので、あんまり考えないのが精神衛生上いいかと思います。その後にも他大学の受験を控えているなら特に。たとえ前の試験で失敗しても、その失敗は次の試験には全く関係のないことです。反省点の分析と改善は必要だけど、引きずらないで。私は少々引きずりました…それもあって引きずってほしくない…1ヶ月後に2校目の試験があったので、千葉大学の受験の次の日からは2校目以降の勉強を始めました。

千葉大学文学部の試験は10月半ばに実施され、合格発表は12月の半ばにあります。合格発表まで長い長い長い長い。私にとって千葉大学が一番最初の編入試験でしたが、合否がわかったのは受けた4校で最も遅かったです。合格発表は学内の掲示板に紙が貼りだされる形式です。インターネット上での発表はありません。在籍校と千葉大学との距離が遠かったため、私は千葉大学に前年度編入した方に依頼して掲示の写真を送ってもらいました。ありがとうございました。合格者の受験番号一覧から自分の受験番号を見つけた瞬間よりも、電話で合格報告をした際の母の喜びの声を聞いたときの方が嬉しかったです。あんなにも喜んでいる母の声を聞くのは数年ぶりでした。

 

8.筆記試験対策

元々専門外で周りに聞ける人もいなかったため、筆記試験の対策は独学でした。右も左もわからないまま、また指導者もいないままもがいた初学者なので参考になるかは疑義がありますが、どのように勉強したのか書き残しておきます。5‐1で少し触れましたが、試験勉強の段階から選択しないと決めていた言語学については書けません。よしなに。

何の勉強に対しても言えることですが、参考書は周回しましょう。ぐるぐるしましょう。一度や二度では覚えられません。また、書くことや音読、身近なものに当てはめて考えてみることは有効だと思います。

8-1.古典

千葉大学の古典では、変体仮名翻刻があります。これ特徴です。しかも量が多い。他大学の過去問でも変体仮名翻刻を出題しているのは見たことがありますが、千葉大学ほど量が多くないです。

ん?変体仮名って何かって?古文書とか屏風とかで見る、あの文字です。くずしてある文字。お店の名前に使われていることもありますね。…と説明する私も、初めは、読めない!!!なんだこれ??ってなってました。読めな過ぎて本音が口から洩れましたよ。でも試験で出題されるし、読めたら楽しそう...頑張ろ...という感じで勉強を始めました。私の日記によると、変体仮名の勉強を始めたのは4月から。

 

まず『変体仮名とその覚え方』と「KuLA くずし字学習支援アプリ」を使って基礎を学びました。後にそれと並行して、源氏物語藤壺巻の影印本を使って勉強しました。仮名の字母(くずす前の、元になっている漢字)とそれに対応する変体仮名を覚え、覚えてきたら仮名で書かれた文章も読んでいくというやり方です。「KuLA くずし字学習支援アプリ」はほぼ毎日利用していました。テスト機能もあるのでひとりでも正誤確認ができます。また変体仮名の学習の際には、自分で文字を書くと覚えやすくなると思います。ペンで紙に書くでも指先で宙に書くでもなんでも。自分で覚えたい文字を実際に書くことで、ここがつながっていてここが省略されているのか!というのを実感しやすいです。

字母のくずし方やくずし具合は様々なため源氏物語だけでは足りないと思いましたが、KuLAのコンテンツで他の作品を読むことで補いました。時間かかるけど読める!楽しい!というでは、試験問題に対するスタンスとしては不十分だと思います。時間内に正確に翻刻することが求められているので、そこは見失わないように。

※「KuLA くずし字学習支援アプリ」とは、大阪大学の研究チームが開発したアプリのこと。スマホタブレットでくずし字・変体仮名の学習ができる。iOS/Android版が公開されていて、無料でダウンロード可能。詳細はこちら大阪大学大学院文学研究科・文学部のページ)からどうぞ!

 

日本文学史については『2時間でおさらいできる日本文学史』、高校生の時に使っていた『Key&Point 古文単語330 わかる・読める・解ける』、国語便覧を使用しました。便覧は使わなくてもいいかもしれないです。読み物としては好きですが、試験対策としてはあまり向いてないと感じました。

それから、他の文学部編入者さんによると『日本文学史』がおすすめだそうです。定番中の定番らしいです。私は知らなかった...。知っていたかった...。

 

8-2.日本語学

メインとして『新しい日本語学入門ことばのしくみを考える第2版』、サブとして『言語学入門-これから始める人のための入門書』を使っていました。

『新しい日本語学入門ことばのしくみを考える第2版』は日本語学の全容を把握するのに適しています。Twitterのフォロワーさんからこの書籍を教えてもらい、実際に書店で内容を確認してから購入しました。講義の教科書として指定している大学もあるようです。ただ、この書籍には練習問題は載っていないです。この点を不安に思ったため、練習問題は『言語学入門-これから始める人のための入門書』で補いました。日本語学検定の参考書なども見てみましたが、んん…という感じでした。『言語学入門-これから始める人のための入門書』でなくても、練習問題や例題が載っている本を使うといいと思います。

 

また、参考書を読んでいたり過去問を解いたりしていると、どうしても理解できないことが何度もありました。ひときわ、日本語学の勉強で壁に当たりました。参考書4周目なのにまだわからない、みたいなことも。わからないところを聞ける人が周りにいないことがこんなにも苦しいのかと体感したのはたぶん初めてでした。わからないところを放置したくないけどわからないものはわからない。そうしているうちに自分の中で、これは私にはわからないものなんだ、と呪いのようなものをかけていたのかもしれません。このような心持ちで予備校の小論文や英語の授業に行って、先生から「最近どう?」とか「頑張ってね」って声をかけられた時がつらかったです。勉強していないわけじゃないけど、全然前に進めていない感覚だったから。

そんな時、助けを求めた先は日本語学について書かれている書籍や論文でした。そもそも誰のどんな本を読めばいいのかすら知らない私でしたが、メインとして使っていた『新しい日本語学入門ことばのしくみを考える第2版』の参考文献のリストから芋づる式に関連書籍・文献を探し、読んでいきました。読んでもわからないところはあったけれど、読むのと読まないのとでは全然違いました。自分の周りに専門の人がいるなら質問すればいいと思いますが、周囲に聞ける人がいない場合は書籍や論文の中の人に教えてもらいましょう。なにかしらのヒントをもらえます。

 

8-3.英語

英語は予備校の授業・予習・復習が主でした。単語と英文読解をやっていました。大学入試レベルが解ければおそらく問題はないです。おそらく、ね...。専門用語は少し出てきます(しかも日本語訳が付いてない時もある)が、私は専門用語の英単語の対策はしていないです。過去問には、いやこれはわからないよという単語も出てきていましたが、文章の流れから推測できることも多いです。

 

9.過去問の入手と分析

9-1.自分で動いて過去問を入手する

過去問はゴールデンウィーク中に千葉大学まで行って入手しました。予備校に過去問があるか聞いたところ、ないと言われたためです。一般的に、編入予備校には数年分の過去問のストックがあると言われますが、大学や学部によっては予備校も過去問を持っていません。自分で大学に入手しにいくのが最も確実です。大学によっては郵送やHPで入手可能、千葉大学の場合は現地での閲覧・書き写しのみです。コピー機でコピーすることや写真を撮ることはNGでした。

直近3年分の過去問を書き写してきましたが…3時間ぶっ通し!手が痛かった...。私は鉛筆の持ち方が正しくないため余計な力が入った状態で文字を書くので、指が折れるかと思いました。これを機に鉛筆の持ち方を直そうと思った(思っただけ)。10:00前に千葉大学に着いていたのに、気づけばもうすぐ13:00。書き写している間に、事務の方たちはどんどんお昼休憩に入っていきました。自分の足で過去問を手に入れにいくのは大変だと痛感しました。時間的にも、金銭的にも(交通費)、身体的にも(手がつかれる、指が痛くなる)。

 

9-2.過去問分析無くして対策はできない

過去問を入手したら、過去問分析をしましょう。過去問を見なければその試験の対策は始められません。数年分の過去問を見れば、ある程度は傾向をつかめます。まずは過去問を見て敵を知ることが大切です。過去問分析をすることで、試験の範囲、形式、問われている知識の深さを知ることができます。試験範囲は絞らないと的外れなところばかりに勉強時間を割くことになるので、可能な限り試験範囲の特定はした方がいいです。 問題数や論述の量、解答用紙の仕様などから、問いに対してどの程度本番で時間をかけて解答できるのか、どの程度の理解まで問われているのかを探ることも重要だと思います。合格に向けて正しい(せめて間違ってはいない)方向で頑張るためには、過去問分析は必須です。

過去問分析の際には、無理して問題は解かなくていいかなと思います。実際私が千葉大学の過去問を解いたのは、在籍している大学の2年生前期の期末試験後でした過去問でどんな問題が出ているのかを見て、どの教材で勉強すればいいのかを考え、参考書などに手をつけ始めます。

 

 

この先10以降は、冒頭でも書いたように、千葉大学だけでなく受験した他の3校も込みで書いていきます。それでは続きをどうぞ!

 

10.志望理由書を後回しにしない

志望理由書は早めに書くことをおすすめします。理由は2つ。志望理由書も試験の一部であり、また、自身が編入を志す理由をより明確にできるから

志望理由書が試験の一部であるというのは、千葉大学の文学部の編入試験では、出願書類、筆記試験、口述試験(面接)の総合結果で合格者が決まるからです(cf.千葉大学の募集要項)。出願書類の一つとして志望理由書が必要、かつ志望理由書が口述試験(面接)の流れを決めます。志望理由書、めちゃくちゃ重要ですね。

志望理由書は、なぜその大学を志望するのかを書いたものです(そのまんまじゃん)。編入を志望するその人を編入生として受け入れる価値があるのかということを受験大学側が判断する一つの材料が、志望理由書です。

 

志望理由書に書く内容はざっとこんな感じ↓

  • 私はどんな人物か(どんなことを経験してきたかなど)
  • 志望の契機
  • 研究したいこと
  • 志望先でどんなことをしたいと思っているか
  • 卒業後の進路・そう考えるようになった契機
  • どのような形で社会に貢献していきたいと考えているか

私は、美味しいバーベキュー串をつくるイメージで志望理由書を書きました(いやどういうことやねんって声が聞こえてきそうですが…)。下の画像で言えば、一番下のネギ?から玉ねぎっぽい白い具材までが過去のこと。真ん中の、ネギ?・ピーマン・お肉の部分が現在のこと。とうもろこし・お肉・海老の部分が未来のこと。全ての具材の真ん中を貫いているのが串。そして「はい、これが私の作ったバーベキュー串です。食べてくださいね」って大学側に渡すんですね。

 

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過去・現在・未来のことを一本の串に刺すイメージ

もう少し説明します。前述した志望理由書に書く内容はおおざっぱに過去・現在・未来と分類することができます。例えば、志望しようと思った契機は過去(/現在)のこと、どのように社会貢献していきたいと考えているかは未来のこと、のように。また、志望理由書は何度も練り直して書くことで、一つひとつの具材(=エピソード)を美味しいものにすることができます。そして最も重要なのが、串です。最初から最後まで、一本の串が刺さっているバーベキュー串を目指します。つまり、一貫性のある、軸のぶれない志望理由書を意識して書くということです。意外と難しいですが、意識するだけでもだいぶ変わります。

次に、志望理由書が口述試験の流れを決めるってどういうことか。それは、プリンに興味を持った理由や今後研究したいプリンについてを志望理由書に書いたら、口述試験(面接)の際に、面接官からプリンについて突っ込まれる可能性が高いってことです。うん、そういうこと。その大学を志望する理由、なぜ編入なのか、どのような本で勉強したのか、筆記試験の解答に修正・付け足したい箇所はあるかなどのオーソドックスな質問内容に加え、志望理由書の内容から個別の質問がきます。

 

また、志望理由書は受験大学の先生たちに見てもらうものではありますが、自分自身のためにもなります。編入したい理由や、編入後・卒業後どうしていきたいかを文章化することで勉強のモチベーションにつながります。編入試験に向けてなぜ自分が勉強しているのかを見失わないでいられた一つの理由が、志望理由書の作成だと思っています。嫌でも過去・現在・未来の自分と向き合うことになります…。でも、これは編入試験の醍醐味のようなものでもあるのかな。絶対に受ける必要があるわけではない編入試験を自分が受けたいと思った理由を、自身の中で再確認する。どこかからのコピペなんて誰も求めていなくて。誰かのものを借りてくるわけではなく、私が、どう生きてきてどう生きていきたいのかを考える契機になります。後回しになんてできないよ。時間かかるもん。

 

私が志望理由書の第一案を書いたのは、受験する年の4月半ばでした。志望理由書がほぼ最終形態になったのは6月の下旬。出願2週間前にも確か一部手直ししたはず。予備校の先生からは提出2回目でOKが出ましたが、提出までに何度も書き直しています。推敲の時間は必要です。時間をかけて書くことをおすすめします。

 

11.編入生活について

11-1.大学での過ごし方

平日は8:30~20:00は大学にいました。大学で勉強することが自分に合っていると感じたからです。大学に行く前に2時間勉強、大学に行って友達と朝ごはんを食べ、大学で勉強を始めるのは9:00からというのが朝の習慣でした。1限がない日も、午後しか講義がない日も、毎日同じ時刻に大学に行っていました。毎日同じ時刻にするとリズムがつくりやすいです。空きコマは大学の課題か編入試験の勉強に充てていました。夜は閉門まで食堂で勉強していました。

また、毎日三食学食生活でした。試験を乗り切れたのは、学食で働く方たちの愛情たっぷり(?)のごはんのおかげかもしれません。自炊能力は向上しません…。

 

11-2. サークルや部活など

編入試験を受けることを決めてからは、勉強に集中したかったため所属していたサークルや部活などは1つを残して全てやめました。

1年生の時は、5つの団体に所属していました。どの活動もない日は一ヶ月に1~2日くらいというくらいのきつきつスケジュールでしたが、どれも楽しくて続けたいものばかりでした。しかし、編入試験の勉強をしながらこのまま続けるのはどれも中途半端になると思い、早いものだと1年生の12月くらいには退きました。全部の団体から抜ける予定でしたが、1つだけは責任者をやっていたためやめられなかったので、事務的仕事やミーティングのみ続けていました。

団体から脱退することで編入試験に合格できなかったら戻る場所がないということに対して、躊躇しなかったわけではありません。でも、集中できていないことが原因でひどい内容の試合をしてしまったことで相手にも競技にも申し訳ない気持ちになった経験から、やめるならやめるとはっきりさせたいと思い、退路を断ちました。

 

11-3.ストレス発散方法

ストレスフリーで試験勉強ができたらいいですが、ストレスフリーは無理です。ストレスは溜まります、よね?勉強が思うように進まない、人間関係がうまくいかない、大学の定期試験が嫌などなど。ストレスとうまく付き合う自分に適した方法を見つけられると強いです。

私は自室で歌いながら泣くことでストレスを発散していました(誰も聞いてない)。お隣さんに迷惑なので小声でね。意味わからんって言われることが多いので悲しいですが...。泣くことも歌うことも体力を使うので寝ちゃうんですよね。寝ることまでセットで、ストレス発散。ストレス発散法はなんでもいいと思います。人によって違うと思うし。プッチンプリンがお皿にプッチンされる瞬間を見ることでストレス吹っ飛ぶ人だっていると思いますよ。

 

12.文学部編入に予備校は必要だったか

千葉大学文学部日本・ユーラシア文化コースの受験ということからは少しそれてしまいますが、「文学部」の編入を目指していた私にとって予備校は必要だったか、ということについてここで書きます。予備校必要/不要論を展開するつもりはなく、あくまでも予備校に通ってた私の実体験に基づく私見(というより感想)です。

 

結論からいうと、私には予備校は必要でした。理由はいくつかありますが、予備校に通うことで味方ができたから、というのが一番大きな理由です。

私は下宿先から大学に通っており、また周りには編入を目指す人がいなかったことから編入について話せる人がいなかったため、編入のことについて相談できる予備校の先生たちがいたことが私にとって大きかったです。併願校についての悩みを聞いてもらったり、志望理由書の添削や面接指導をしてもらったりしたことは、受験までの不安要素を少しでも取り除く上で有効でした。

法学などの、予備校が力を入れている学部への編入なら予備校に通うメリットが大きいと思うけれど、そうではない文学部への編入を目指すなら予備校は必要ないのでは?という反論があるかもしれません。しかし、私はそうは思いません。文学部編入志望者にとっても、予備校は存在意義があると思うからです。

確かに、予備校には文学部向けの専門科目の講義も指導もありません(文学部の中でも、心理学系や社会学系はあるかも)。専門科目の答案の添削も先生は現代文ならみてくれますが、専門の内容が濃くなると添削は無理です。予備校には過去問がストックされているため過去問入手が楽だと一般的に言われていますが、大学や学部によっては予備校も過去問を持っていません(実際、千葉大学の過去問なかったし…)。例えば法学部の過去問は20年分くらいあるのに文学部の過去問は0なんてこともあります。過去問分析も試験範囲の特定も予備校頼みではなく自分で行います。専門科目の勉強をするにあたり参考になる書籍も予備校の先生は教えてはくれません。文学部の専門の先生がいないからです。勉強でわからないところがあっても、申し訳ないけど専門外だから教えられないと言われます。専門科目の勉強のペースメーカーとしての機能は、予備校に求めることはできません。どうやって専門の勉強をしたらいいのかも自分で考えてやっていくしかないです。

しかし、そのマイナス面を上回るのが、味方がいるという実感であると考えます。

私の学科では文学部系の専門の講義は履修登録が不可能、さらに文学部系の講義は自身のいるキャンパスとは別のキャンパスで開講されていたため時間的・物理的に聴講もできない。予備校には私が必要としている専門科目の授業はない。その専門の先生も不在。そんな状況でも私が最後まで頑張れたのは、予備校の存在があったからだと思います。予備校というより、予備校の先生たちのおかげという方が適切かもしれません。話せる人がいる、応援してくれる人がいる、というだけでも気持ちの面で救われているのだと思います。味方を増やすことは、裏切れない人を増やすことでもあります。プレッシャーも大きくなります。それでも、私は味方がいてくれたほうがいい。ひとりでは逃げ出してしまいたくなることでも、味方になってくれる人がいることで頑張れることもあるのだと思います。実際、受験期の私は予備校の先生の存在に助けられました。

以上の理由から、私は予備校に通ってよかったと思っています。

 

ちょこっと裏話

予備校ではスイーツを持ってきてくれる先生もいて、そのスイーツがひそかな楽しみでもありました(もちろん勉強はちゃんとやります…)。

クッキー、フルーツタルト、マカロン、カスタードアップルパイ、チーズケーキ、プリン、アイスキャンディー、マドレーヌなど…どれも美味しかったな。数分間だけの、舌も心も幸せタイムでした。

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13.合格を友人やゼミの先生に伝えた時のこと

編入試験を受けることは、両親とごく一部の人にしか伝えていませんでした(部活の責任者だったため、極力運営に支障が出ないようにしたかったことが理由で部活の先輩1人と同期2人にのみ試験を受けることは伝えていました)。

編入先決定後、ゼミの先生とは研究室で何度か話をしました。たぶん合計10時間以上は話したと思います。たわいもないこと、先生が先生になった経緯や今どんなことをしているのか、将来はどうしたいと考えているのかということ。私がこの大学(編入前の大学)に来た理由、講義のこと、ゼミのこと、本のこと、編入を志した経緯、研究内容、編入・卒業・就職後のことなど。ゼミが始まってからまだ半年しか経っていないのにもかかわらず、ゼミの先生とここまで話せるとは正直思っていなかったです。編入することを伝えてからの、「残念だなあ。出ていっちゃうんだ。残念だなあ。だけど僕は喜ばなきゃいけないね。応援してますよ。…んん残念だなあ。」「あと2年間一緒に勉強できると思ってたのに。」「いつでもここに来ていいからね。ここにも葵さんが戻ってこれる場所があった方がいいでしょ。」というゼミの先生のことばが印象に残っています。編入することを報告した日は、今後の個人研究の内容や方針を発表した日でした。これから2年間こういう研究をしていきたいというのを発表した数時間後に、ここからいなくなることを告げられた先生のことを思うと、悪いことをしたなと思います(ゼミ関係の諸事情により、急遽この日に言うことにしました)。

また、先生の意向もあって、同期のゼミ生の前で編入することを話す機会がありました。新年1回目のゼミの時でした。私自身は、ゼミの最終日に打ち明けるか黙っていなくなるかのどちらかにしようと思っていたので、当日に先生から皆の前ではなすことを提案された時、初めは断ろうと思いました。しかし、先生に「葵さんが別の大学に行くことが、ほかの学生さんにとってもいい影響になってほしいと思ってる。」と言われたことで、話すことに決めました。私が話している間、ゼミの友人たちは真剣に聞いてくれているのが伝わってきました。話をした後も、3年の春まで継続して行うプロジェクトは続きましたが、今までと全然変わらない態度で接してくれたゼミの友人たちには感謝しています。

友人たちに報告したのは、2年生の後期試験が全て終わってからでした。結構遅いと思います。自分の近くにいた友人ほど言いづらかったです。なかなか言えなくて、結局SNSを通じての報告になりました(その後、ちゃんと対面で言いました)。友人とのやり取りをしている時間はずっと涙があふれてきていて、私ってこんなに離れたくない人ができたんだなと。入学式の時のあの涙が、2年後には別れの涙に変わりました。

こういう人たちと会えたこと、関係を築けたことは本当に幸せだなと思います。次の場所に行っても頑張れるって思える。編入前の大学での2年間は、遠回りでも間違いでもない、私にとって必要で大切な時間でした。

 

14.おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。長くて読むのに疲れたと思います。「体験記がちょっぴり長くなってしまった」って言ってたのに、なにがちょっぴりだ!!と怒らせてしまったかもしれません。ちょっぴり詐欺してしまいました。すみません。プリンの甘さに免じて許してください…!

これから編入に挑戦する方。編入を志す理由はなんでも構わないと思います。挑戦すると決めたら、最後まで自分を信じてあげてくださいね。周りからの声援も、自分が頑張るからこそ追い風になります。

それから、編入検討中の方。悩みや迷い、ありますよね。私もすぐに決断できたわけではありません。編入のために時間をかけたのに結果が出なかったら怖いって思う気持ちもわかります。でも、私は、編入試験を受ける決断をして飛び込んでいったことで、編入を通じて人間的に成長できたと感じていることはお伝えしておきます。あ、編入の道に引きずり込みたいわけではないですよ。自身の納得のいく選択をしてください。

最後に。編入は、自分とも学問とも周りの人とも向き合える機会でもあります。全力で挑戦したことは、合否にかかわらずこの先の自分にとっての足がかりになると思います。陰ながら応援しています。

 

 2021/3/17:編入学基礎1(2単位)が2021/3/1にサービスを終了したことに伴い、寄稿していた体験記をこのブログにお引越ししました。編入学基礎1(2単位)さんに大変お世話になりました。私の体験記が多くの人に読んでいただけたのは編入学基礎1(2単位)さんのおかげです。ありがとうございます。

 

葵(@No_AA89BD