ぷりんのはじっこ

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ぷりん好きの、大学三年次編入合格後のおはなし

編入試験不合格体験記 平成31年度奈良女子大学文学部人文社会学科文化メディア学コース

※この体験記は以前、編入学基礎1(2単位)さんに寄稿していたものです。編入学基礎1(2単位)さんのサービス終了に伴い、お引越ししました。

こんにちは。葵(@No_AA89BD)です。

体験記を書くと言いながら、前回の体験記を公開してから長い時間が経ってしまいました。すみません。お待たせしました。今回も、編入学基礎I(2単位)さんにお世話になりました。ありがとうございます。

本稿では、平成31年奈良女子大学文学部人文社会学科文化メディア学コースの3年次編入受験について扱います。タイトルにもある通り、不合格体験記です。ここを受験するしないにかかわらず、志望理由に関係することから見た不合格の理由を書いた箇所 (5-2) だけでも目を通していただけると嬉しいです。 それではどうぞ!

 

目次

 

1. 本稿を読む前に

本稿を読む前に、私の千葉大学の合格体験記を読んでほしいです。本稿は、千葉大学の体験記を読んでくださっていることを前提として書いてあります。一連の私の受験体験を、受験校ごとに書くことにしましたが、すぱっときれいに分けて書くことが難しかったためです。自己紹介や編入を志した理由などの諸々のことは、私の編入体験記の第1号である千葉大学の合格体験記の方でまとめてあります。すみませんがよろしくお願いします。

 

千葉大学の合格体験記はこちらからどうぞ↓

purin-no-hajikko.hatenablog.com

 

2. 奈良女子大学文学部人文社会学科文化メディア学コースの試験内容

試験は一日のみ。筆記試験(専門科目・現代国語・外国語)と面接があります。外国語の試験で英語を選択する場合は、出願時のTOEICのスコアが使用されます。スコアの換算については募集要項に記載あり。午前中に筆記試験が行われ、お昼休憩をはさんでから面接試験があります。

詳細につきましては、各自で、奈良女子大学のHPや募集要項の確認をお願いします。本稿の最後にリンク貼っておきますね。基本情報は大学の公式のものにお任せし、それ以外のことについて記述します。

 

2-1. 筆記試験

筆記試験の科目は3つ。専門科目、現代国語、外国語。

また、奈良女子大学は、直近3年分の筆記試験の過去問をHPで公開しています著作権の関係上、現代国語の本文についてはHPで公開されていません。現代国語の本文を見たい方は、オープンキャンパス編入希望の学生対象のイベントの際に現地で見せてもらいましょう。問題用紙を撮影させてもらうことができます。

 

2-1-1. 専門科目
  • 試験時間:90分

解答用紙は、

  • A4サイズ、縦置き横書き(罫線あり)
  • 複数枚重ねられた状態で右側がホチキス留めされていて、冊子のようになっている
  • 大問1は1問につき2枚書けるようになっている(裏面は使用不可)
  • 大問2は1問につき1枚

座る席や列は指定されていましたが、コースごとには分かれていませんでした。試験開始時刻が近づいてくると、受験番号と受験するコース名が書かれた封筒が配布されます。封筒の中身は、問題冊子、解答用紙、下書き用紙。封筒は、試験終了後に解答用紙のみを入れた状態で回収されます。問題冊子と下書き用紙は各自持ち帰ることができます。嬉しいね。なぜって?それは、口述試験の時に筆記試験の問題について聞かれるからです。口述試験までに問題用紙を見直しておくことができるんですね。問題用紙が手元に残るっていいことよ。

 

出題内容

大問1

(1)~(4)のうちから2つを選択して解答する。

 (1) メディアリテラシーについて。概念およびその実際のあり方。

 (2) 興福寺について。

 (3) 「アートと現代社会」について。具体例も。

 (4) 文化社会学文化人類学・文化地理学・考古学・民俗学・観光学のうちいずれかの専門書を1冊取り上げて書く。

(1)(4)を選択しました。(3)を選ぶか(4)を選ぶかで少し迷いました。

 

大問2

(1)~(8)のうち3つを選択して記述する。

(1) アノミー (2) 調査倫理 (3) 巫女

(4) 土偶 (5) プロパガンダ (6) エスノグラフィー

(7) 高度経済成長期 (8) 柳田国男

私は(4)(5)(8)を選択して解答しました。

 

2-1-2. 現代国語

現代国語は学部共通問題なので、文学部受験生は全員同じ問題を解きます。

  • 試験時間:75分
  • 問題用紙は試験終了後に各自持ち帰る

解答用紙は、

  • A3サイズで、大問1と大問2で1枚ずつ
  • 解答欄にはマスや区切りの線はなく、枠のみが印刷されている
  • 右端がホチキス留めされている

 

出題内容

大問1 山本理顕『権力の空間/空間の権力‐個人と国家の<あいだ>を設計せよ‐』より

 

大問2 堀江敏幸『その姿の消し方』より

 

2-1-3. 外国語

私は英語を選択したため、当日は外国語の筆記試験はありませんでした。事前に提出したTOEICのスコアで代替されました。英語選択をした人は、試験当日の集合時刻も2科目めの集合時刻となります(集合時刻については受験票に記載あり)。

 

 

※専門科目と現代国語の出題内容について

この記事を書いているときに、出題内容の項目をどのように書くか悩みました。原因は過去問の公開期間です。過去問は大学のHPから入手することができるため、あえて私がここで書く必要はないような気がしました。しかし、公開されている過去問は直近3年分のみです。本稿を3年以上後に読んでくださった方は過去問を入手することができないことを考えると、簡潔ではあっても書いておく方がいいような気もしました。

考えた末に書いたものが、上記の内容です。公開期間が設けられていることの意味も考慮した書き方にしたつもりです。専門科目については比較的詳しく書きましたが、現代国語に関しては、出典のみとしました。専門科目を割と詳しく書いたのは、この後に書く面接内容にできる限り具体性を持たせたいと考えたからです。

申し添えますが、受験しようと考えている方は大学側が公開しているものを必ず見てください。あくまでも私が書いたことは参考程度にとどめておいてくださいね。

 

2-2. 面接

試験時間は18分くらい、面接官は4人でした。この4人は、文化メディア学コースの先生全員です。お昼休憩の後、受験者はコース毎に指定された待機室(面接が行われる部屋の2つ隣の部屋でした)に移動します。面接開始時刻になると、面接官の先生1人が、待機室にいる受験者を1人ずつ呼びにきます。面接は受験番号順。ドアが開いていた面接の部屋に入室して受験番号と受験者氏名を面接官の先生から確認された後、面接スタートです。

 

面接内容

  • 志望理由(時間指定なし)
  • 志望理由書に付け足したいことはあるか
  • 筆記試験の手ごたえはどうだったか
  • 筆記試験の解答に付け足したいところはあるか
  • Aを知らない人にも伝わるように、Aを説明して(Aと表記して伏せているが、実際は、私の研究したいことに関する単語がAに入る)
  • どのように勉強したのか
  • 今の学部で勉強して、何を学んだか
  • 大問2の解答として書いた著書以外で、柳田国男の本で知っているもの
  • 土偶の記述(筆記試験の私の解答)は何の資料を参考にしたのか
  • ルース・ベネディクトの『菊と刀』を選んで書こうと思った理由(私は専門科目の大問1(4)で文化人類学について書くことを選択したため、この本に言及して解答した)
  • (【編入前の大学】は文化史強いのに)なぜ【編入前の大学】を出ようと思ったのか
  • 大学院でここに来ればいいのではないか
  • あなたの研究と〇〇との関連はどのようか

 

4人の面接官のうち、1人は主な進行役で質問も多く、2人はいくつか質問してきて、あとの1人は質問してきませんでした。主に進行役の先生から、圧迫面接の印象を受けました。これがいわゆる圧迫面接か...って思いましたね。でも、泣くほどの圧迫面接ではないかな。

志望理由書と筆記試験の解答に付け足したいことがあるかという質問に対しては、どちらも「はい」と答え、付け足しました。しかし、必ずしも付け足さなくてはいけないってことはないと思いますね。私見としては、特に志望理由書の内容は、無理に付け足さなくてもいいと考えます(付け足したくせに)。志望理由に関してはどうせ後々つっこまれるので、あえて付け加えて墓穴を掘る必要はないと思うからです(私は墓穴を掘るタイプ)。他方、付け足すことのメリットとしては、志望理由書のつっこんでほしいところに質問を誘導できることが挙げられると思います。わざわざ付け足したのだから、面接官の先生方も付け足した部分についてさらに聞いてみたくなりますよね、おそらく。実際、私は、付け足した研究内容についての部分を次の質問でつっこまれています。付け足す付け足さないは個人の判断でいいかと。付け足す付け足さないが合否に直結するとは考えにくいかなと思います。

 

3. 筆記試験対策

3-1. 英語(TOEIC代替)

私のTOEICのスコアはお世辞にも高いとは到底言えないので、他の方の勉強方法を参考にしてください。ほんとに。とりあえず書くけどね。勉強方法までは言及しないことにします。参考の参考のそのまた参考程度にしてください。

TOEICの対策を始めたのは2年生の4月くらいでした。受験に使用するために受験したTOEICの試験は、5月から9月までの4回(8月は実施していないため)。それまでTOEICの公開テストは一度も受けたことがなかったです。TOEIC IPテストを1年生の12月に受けたきりでしたね。

使用していた教材は、以下の通りです。

TOEIC用の単語帳は「金フレ」を使用していましたが、併願校の英語の独自試験のために他の単語帳も使っていました。他の単語帳も並行して使用していたのは、通っていた予備校で指定されていたものがあったためです。TOEICに特化するのであれば、単語帳は「金フレ」のみでいいと思います。「公式問題集」は本番に近い形で勉強できます。特にリスニングのスピーカーがいい印象です。リスニング音声はスマホにダウンロードして聞いていました。また、公式問題集は最新のもの(この記事公開時の最新は4かな)でいいと思います。「完全攻略模試」は、丁寧な解説がほしい人にはいいかもしれません。

 

3-2. 専門科目

大問2の用語説明問題について。過去3年分の出題された用語を調べると、井上俊, 長谷正人編 (2010)『文化社会学入門 ‐テーマとツール‐』(ミネルヴァ書房) に載っている用語が多いことに気づきます。大問2で提示されている8つの用語のうち4つはこの書籍内に登場しているんですよね、3年間。大問2は8つの選択肢から3つを選んで記述する形式なので、対策としてこの書籍を使うことには意味があると思われます。しかし、この書籍は用語集ではないため単語帳のようには書かれてはおらず、用語は文章の中で登場します。これだけでは対策として十分だとは言えないです。しかしこの書籍は、実際に文化メディア学コースの講義で教科書として指定されていて(HP上のシラバスより)、コースの教授たちの文章も入っています。このことを考えると、読んでおいて損はない一冊だと思います。内容もおもしろいし、執筆者たちのおすすめの著書や参考文献も載っているので個人的にはおすすめです。

その他、使用していた著書を下にあげておきますね。何度も繰り返して読んだものもありますが、一度しか読んでいないものもあります。文化メディア学コースの教授たちの著書が多めです。また、文化社会学、メディア論、観光社会学を専門になさっている先生方の著書を使用していました。文化社会学、メディア論、観光社会学を扱っている著書を使用したのは、文化メディア学コースの試験問題、先生方の専門、カリキュラムがこのあたりだなと思ったからです。これらの領域は元々の私の専門と親和性が高い(と思ってる)ため、先生方の名前・専門領域についてはあらかじめ多少知っていました。多少ね。人選(?)に少々偏りはあると思いますが...。

先生方の名前や専門分野なんて知らないから、どんな本を読めばいいのか全く分からないという方。まずは志望校の先生方の論文や著書を見ましょう、読みましょう、使いましょう。著書の一冊目、論文の一本目に手を出せばあとは芋づる式に関連文献に出会うことができます。また、researchmapを利用するのもいいかもしれませんね。研究者の名前や研究分野で絞り込んで検索できます。例えばAさんをまず検索します。するとAさんの研究分野や実績を見ることができます。また、リンクを貼ってくれていたら、Aさんの論文にとぶこともできます。出版物の一覧もあります。researchmapは研究者本人が登録するものなので、どこまで研究者のページが充実しているかは研究者によって結構違いますね。それから、Aさんのページの端を見ると、Aさんと似た研究をしている人を見つけることもできます。研究者単位で探すことができるのです。

 

3-3. 現代国語

これをこれだけやりました!と堂々と書きたかったのですが、ここに書けるようなことはしてないんですよね。残念なことに...。私がやっていたのは、高校時代に溜めに溜めた進〇ゼミの教材です。そう、私は溜めるタイプの人でした...。進〇ゼミやってないよ!あなたと違って私は溜めないでコツコツ全部やってきたよ!って方々からクレームが来そうですね。

勉強に使用する教材は、大学受験レベルの記述解答の練習ができるものならどれを使ってもいいと思いますね。私が高校生の時に使用していたいいずな書店編集部 (2015)『改訂版 プログレス 現代文総演習 完成編』(いいずな書店) (これは学校専売品なので入手はちょっと難しいかも)など、この辺りの教材で対応できると思います。解説が丁寧な教材がいいです。解き終わった後に解説や解答例を読み込み、自分の解答について考えます。間違った箇所は、どうして間違えたのか、どのあたりが間違いだったのかを自身の中で明確にすることが大切だと思います。解き終わった後のパワーアップは解説様様です。

また、毎日は解かなくていいと思いますが、定期的に問題は解いていた方がいいと個人的には思います(他の人がどうなのかはわからないけど)。問題に触れていない時間が長いと読解力が低下したり記述が全くできなくなったりということはないのですが、やりにくいなと思うことがあるからです。現代国語の問題を解く感覚のようなものがあると私は思っていて。その感覚は、長期間問題を解かないでいると鈍くなる気がします。一度わかるようになったプリンの味は忘れないけど、長期間食べないでいるとプリンの銘柄当てができなくなるようなものですかね (違う) (伝われ...!)

 

4. 編入試験とオープンキャンパス

編入試験を受ける大学のオープンキャンパスには行ったほうがいいの?行くべき?ということについてここでは書きますね。結論としては、私は、時間と金銭に無理でなければオープンキャンパスに行くといいと思います。ただ、絶対に行かなければいけないわけではないです。オープンキャンパスに行く時間がもったいない!とか、交通費高すぎ!このお金は参考書や受験料に使いたい!って方はそれでいいと思います。

ではなぜ私はオープンキャンパスに行くことをおすすめしているのか。理由は二点あります。

 

第一に、モチベーションを上げることができるから。志望校の持つ空気感やそこに通う学生さんたちの姿、キャンパスの様子などを体感すると、ここに行きたい!という気持ちが強くなると思います。また、私がオープンキャンパスに行った時、在学生の方々とお話ししていたらそのままお昼ごはんを一緒に食べることになりました(あの時はありがとうございました...)。授業のことや先生のこと、ゼミのこと、奈良のこと、女子大のことなど、お昼ごはんを食べながら多くのことを聞くことができました。オープンキャンパスは日常の大学の姿とはまた別の姿だから本来の姿は見えない、と言われることがあります。しかし、オープンキャンパスは自分から学生さんや先生とコンタクトをとるのにぴったりな機会だと考えます。オープンキャンパスでない時もコンタクトはとれますが、オープンキャンパスの際は相手側も来訪者と話すことをある程度見越しているからです。自分自身にとっても相手側にとっても、話しやすい・聞きやすい機会であると思います。

それから、正門の写真を撮って毎日のようにその写真を見てましたね。来年度から自分がここの学生として通う姿を想像していました。毎日ここの商店街を抜けて大学まで行くんだなとか、キャンパス内で鹿を愛でたい!!とか。

 

第二に、オープンキャンパスのプログラムに組み込まれている模擬講義の内容が編入試験に出題されるかもしれないから。「かも」なので絶対に出るってわけではないですよ。ただ単に私がちょっとだけラッキーだっただけかも。かも、というか本当にラッキーだっただけだと思う。こういうこともあるんだねと知ってもらうくらいでいいかな、これは。試験に出なかったじゃん!!って言われても私は責任とれません。悪しからず。

こんなことはそうそう起こることではないと思いますが、とりあえず書いておきますね。そもそも「ただ単に私がちょっとラッキーだっただけかも」ってどういうことかというと、オープンキャンパスの模擬講義の内容が専門科目の試験で実際に出ていたってことです。模擬講義で扱っていたトピックが選択肢の中にあったんですよ。問題用紙に書かれた選択肢を見た瞬間、心の中でガッツポーズしましたね。解答には、模擬講義で先生が話していたことを盛り込みました。もちろん、模擬講義の内容だけでは解答として不十分なので模擬講義の内容以外のことも書きましたよ。筆記試験の解答や面接の時に、オープンキャンパスに行っていたことをアピールできるよってことです。オープンキャンパスのネタは、志望校に対する熱意を伝えることのできる一つの要素となりうると考えます。第一志望感が増しますよね。プラスに働かなかったとしても、マイナスになることはないと思います。

 

5. 不合格の理由を考える

さて、ここではなぜ不合格だったのかについて考えたことを書きます。この記事のメインですね。

不合格の報告を予備校の先生にした際、弱音を吐いてしまった私。受験直後に不合格の感触があったとはいえ、やはり自分の受験番号が合格者の一覧になかった時は、なんとも言えない気持ちでした。受験した4校のうちでは奈良女の合格発表が最初。合格発表日には既に3校の受験が終わっていました。奈良女は奈良女の合格発表しかしない(当たり前)ですが、奈良女が不合格だった時は、他の3校も不合格と言われたような気持ちになりました。ここがダメならもうどこもダメ、といった感じ。1校目の合格発表って精神的な影響力が大きいなと今では思います。...受かっていてほしかった。

筆記試験が終わった後、もう変わらない試験内容・出来を引きずることはよくないですが、反省点と向き合うことでまだ受けていない他大学の試験に活かすことができます。そこで、私自身で試験全体を振り返ったり、予備校の先生に筆記試験の感触や面接試験の再現問答を話したりしました。考えられる不合格だった原因は2つかなと思います。筆記試験におけるものと、志望理由(+面接)におけるものです。

 

5-1. 筆記試験

筆記試験というよりかはTOEICのことなのですが、TOEICのスコアが悪かったのが不合格になった原因の一つであると考えます。外国語科目の筆記試験の点数に換算すると6割程度しかなかったです。スコア低いね。もっと早い時期からTOEIC対策をしていればなあと思いました。編入試験に合格した方々が声をそろえて言っていることではありますが、TOEICの勉強はできるだけ早く始めるのがいいです。早め早めに。目標スコアに届かないまま出願を迎えるのはやっぱり嫌でしたね。出願時に提出したスコアはもう確定なので、当日の外国語科目以外の筆記試験科目でどれだけ点数をとれるか、という感じでした。

 

5-2. 志望理由(+面接)

前述のTOEICのスコアよりも不合格の大きな要因だったと思うのは志望理由(+面接)ですね。本稿で一番読んでほしいのがこの項の内容。プリン食べながらでいいから、ここだけでも読んでもらえると書いてよかったなってなります。名付けて「ミスマッチ事件」。

「私たちもミスマッチをなくしたいからね。そこのところよく考えて。」

これは、面接の際に面接官の先生から言われたことです。このことばを聞いた瞬間、落ちたなと思いました。午前中にあった専門科目と現代国語の筆記試験の感触はそれほど悪くなかったため、一気に不合格を悟りましたね。

そもそも、なぜミスマッチと言われたのかというと、私が研究したいこととこの大学で学べることにずれが生じていたからです。私がこのずれに気づいたのは、面接時に面接官の先生から指摘された時でした。それまで気づいていなかったんですよね。恐ろしいことに。志望理由書は、4月半ばから書き始めて推敲を重ねたものを提出しました。予備校の先生にも何度もチェックしてもらいましたが、それでも、面接の時まで気づけなかったところです。

私自身の中で不合格をほぼ確実視したのと同時に、先生の言っていることにも頷けました。ミスマッチって怖いし苦しいものだと思います。自身の学びたいことと編入後の場所で学べることが一致していないというのは、避けたいところです。ミスマッチが起こらないことは、学生だけでなく、教員側も望んでいると思います。

ミスマッチが起こらないように細心の注意を...!っていうのが、私が声を大にして言いたいことです。編入を志望する大学での学びと、自身の志望理由や研究したいことがずれていないか、ここでないといけないという内容になっているか、丁寧に見ましょう。しかしそうは言っても、ミスマッチに気づけないこともあります。 自分ではそんなつもりはなくても、その分野の研究者から見たらミスマッチだと捉えられる。私の時みたいにね。長年にわたってその分野の勉強や研究をしてきていない私たち学生が、ミスマッチを絶対回避するのは難しいでしょう(というか絶対回避なんてできないと思う)。それでも、極力ミスマッチを回避するように努めることはできます。自身が研究したいことや近い分野や研究者たちの研究を、時間をかけて調べて、時間をかけて考えるを繰り返す。そして第三者にチェックしてもらう。シンプルですが必要なことだと思います。

 

6. おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

実は、奈良女子大学の文学部文化メディア学コースは現役時代の第一志望でした。高2の時に参加したオープンキャンパスの際に参加した模擬授業に魅了されてからずっと、ここで学びたいと片想いし続けた大学・コースでした。編入前の大学での私の専門がメディアなのも、その影響です。メディアといっても大学ごとに毛色が違うんですけどね。模擬授業を担当していた教授の著書を入口としてこの分野の研究を知り、この領域の著書を何冊も読むようになり、どんどん好きになっていった学問分野です。

結果的にここが不合格だったため、自身の専門を大きく変更しましたが、きっとこれからもこの分野の学びを続けると思います。そもそも学問領域の境界線は曖昧であり、互いに関連し合っています。だから、今までの専門分野のことについて今後全く触れないということはないと思いますね。また、専門を変更しても、前の専門の学びを捨てるわけではありません。前までの専門領域で体得した物事に対する視点や切り口の上に、編入後の専門分野の知識や視座が積もっていくのだと思います。ハイブリッドになるってことです(こういうとなんだか強そうですね)。

編入前後で専門を変えても変えなくても、編入する前の大学で学んだことはなくなりません。講義・演習や課外活動を通じて出会った人たち・学問・経験は、様々な場面で自他を助けてくれます。編入すると決意したなら、編入試験の勉強をしつつも、どうか編入前の大学での生活を大切にしてください(上から目線な言い方ですみません...)。

 

最後に、前回と同じことばで締めくくるとしますね。

編入は、自分とも学問とも周りの人とも向き合える機会でもあります。全力で挑戦したことは、合否にかかわらずこの先の自分にとっての足がかりになると思います。陰ながら応援しています。

 

 2021/9/27:編入学基礎1(2単位)が2021/3/1にサービスを終了したことに伴い、寄稿していた体験記をこのブログにお引越ししました。編入学基礎1(2単位)さんに大変お世話になりました。私の体験記が多くの人に読んでいただけたのは編入学基礎1(2単位)さんのおかげです。ありがとうございます。

 

葵(@No_AA89BD